World Walker
冬城ストアを出て、しばらく坂道を登ったその途中。

「!」

ホットパンツの尻ポケットでスマホが鳴る。

「もしもし?マー君?」

『やぁりせ、元気してる?』

電話の向こうから聞こえてきたのは、大人の男性の声だった。

「まぁ元気は元気だけどね…散々だったわよ、遭難しかけるし手は怪我するし」

『怪我したのかい?』

少し心配そうなマー君の声。

りせの頬が思わず緩む。

「し、心配してくれるんだ?」

『そりゃあそうだよ、りせは大切な切り札だからね』

< 178 / 456 >

この作品をシェア

pagetop