World Walker
「あーやだやだ…早く通り抜けちゃお…」

やたらと独り言が多くなってきたりせ。

無言のままひたすらに歩くのは、心細くて仕方がない。

独り言でも、何か声や音がある方が不安が紛れた。

「べ、別に何て事ないわよ。お墓でしょ?墓地でしょ?死んだ人が埋めてあるだけでしょ?もう死んじゃってるのよ?死んだ人が動ける訳ないじゃない、何も起きやしないわよ、ないない」

明らかに自分に言い聞かせているりせ。

「でも…」

その語気が弱まる。

「ゾンビとか幽霊って、死んだ人が甦ったものよね…」

ある世界には魔女がいた。

ある世界には狐霊がいた。

ならばゾンビや幽霊が存在する世界も、あっても不思議ではないかも…。

「っっっっ…」

りせの顔が青ざめる。

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