World Walker
対して、りせは棒立ちだった。

弾丸並みの速度で飛翔する氷の矢に対して、無防備といえば無防備。

しかし次の瞬間。

「!」

彼女は右手に光を発生させる。

小さくも、深い深い深遠なる光。

りせが世界を渡り歩く時にトンネルを発生させる、あの光だった。

彼女は発生させたその光で、氷の矢を受け止める。

いや、受け止めるというのは適切ではないか。

光に氷の矢を『吸い込ませた』という方が正確だった。

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