World Walker
「参ったな…」

りせから視線を外す事なく、アルベルトはぼやいた。

「僕に勝てそうな相手なんて、『もう一つの学園』の『彼』くらいしかいないと思っていたんだけど…世界って広いね」

「それに幾つもあるわよ?」

不敵に笑うりせの言葉に、違いない、と苦笑いするアルベルト。

りせ同様に様々な世界を渡り歩く彼でさえ、まだ知らない世界、知らない者は数多存在する。

そんな中でも才能ある子供達を見い出し、己の学園で学ばせる事がアルベルトの仕事でもあるのだが。

「君は…駄目だな」

彼は眼鏡に手をかける。

「君は何やら危険を感じる…世界を揺るがすような危険をね」

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