World Walker
次々と回避される攻撃。

敵も考える。

間合いをとった安全圏内での攻撃は、りせには通用しない。

危険を冒してでも間合いを詰め、至近距離での攻撃を仕掛けるしかない。

踏み込みが深くなった。

その事はすぐにりせも悟る。

敵、そしてりせ、ほぼ同時の右のボディブロー!

ともすれば肋骨の一本や二本持っていかれるような、抉り込むような一撃。

苦痛に顔を歪める両者。

しかし敵の方は、苦痛以外の表情が読み取れた。

素早く距離をとるりせに対し。

「…失礼した。君は人外ではないんだな」

敵…全身白ずくめの青年は言った。

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