World Walker
その時だった。

「お詳しいですね」

突然の声に、二人は振り向く。

…人が立っていた。

いや、人と言っていいものか。

一人はエプロンドレス姿の少女。

軽くウエーブのかかった柔らかな金髪。

大きく、潤みを帯びた瞳。

桜の花びらの如き可憐な唇。

上質なシルクのような、白く美しい肌。

たとえるならば人形。

しかも子供の玩具ではなく、貴族連中が愛でる高価な愛玩人形のような、精巧で緻密な造りの人形を思わせる。

それ程の愛らしい少女だった。

< 335 / 456 >

この作品をシェア

pagetop