World Walker
だが、もう一人は異形が際立つ。

小さな立ち襟の白いワイシャツ、黒のベスト、ネクタイ、黒のパンツ。

出で立ちこそ、いわゆる執事(バトラー)。

だがその男には、決定的に普通の執事とは違うものがあった。

肌が露出している部分…顔や両手を、包帯で覆い包んでいるのだ。

指先まで、そして目や口以外の部分まで。

髪の毛のみが、巻いた包帯の隙間から僅かにはみ出している程度。

上等な仕立ての執事の服装とのアンバランスさが、その男の異様さを引き立てていた。

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