World Walker
扉の向こう。

りせは目を凝らして、部屋の奥にいるその人物を見た。

…ぼんやりと照らす灯りの中、玉座の如き椅子に腰掛け、肘掛けに頬杖をつく。

視線は、嘲笑するように真っ直ぐ。

オールバックの黒髪、想像していたよりも外見はずっと若い。

見た目だけなら20代後半くらいだろうか。

サヴィルロウ名門テーラーのオーダーメイドの仕立ての良いスーツ。

ともすれば、貴族か王室関係者かと思わせるような気品さえ感じさせる。

この男が来栖 恭太郎。

りせの追い求めていた人物。

マー君が『幻想創造(クリエイティブ・ファンタズム)』によって生み出してしまった、最強最悪のキャラクター…。

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