World Walker
「客人はいつ以来だろうな」

気だるげに、来栖は呟く。

足を組み替え、頬杖をついたまま。

睨めつけるような視線。

小馬鹿にしたようなその眼が、りせの癇に障った。

「おぉ…そうだ、いつぞや俺に森の中で仕掛けてきた洗礼施行者(バプティスタ)の修道女がいたな…あれも確かヴァチカンから遣わされて来たと言っていたが」

来栖の視線がヘヴンに向けられる。

「お前の同胞か?祓魔師」

「…ローマ教皇より指示を受け、お前の討伐に来たヘヴンという」

来栖の視線に怯む事なく言うヘヴン。

その胆力に驚く事もなく。

「俺は貴様のような下っ端ではなく、ローマ教皇直々に来いと言伝したのだがな」

来栖は嘲笑って見せた。

「傲慢な…!」

普段冷静なヘヴンが、その発言に嫌悪を抱く。

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