World Walker
りせの発言に、ヘヴンが、同席していたクレオや他の使用人達が絶句する。

究極の吸血鬼、千年真祖の生みの親などというものが存在するのか。

いや、千年真祖とて自然発生したのではない以上、親は存在するだろうが…。

「ああ」

思い出したと言わんばかりに、来栖は声を上げる。

「マー君などとふざけた愛称を使うから分からなかったぞ…マスターの事か…まぁ…」

くくっ、と喉を鳴らして笑う来栖。

「力も地位も既に俺の方が上回っている以上、最早あの男を『マスター』などと呼んでやる必要はないがな」

「アンタ…!」

目の前で、慕っているマー君を愚弄された。

その事に歯噛みするりせ。

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