World Walker
蹴り足を摑んだのは、紛れもなく来栖の手だった。

ハンドポケットにしていて分からなかったが、影を通じてポケットの中からヘヴンの足元へと『手を伸ばした』のだ。

「影と闇はこの俺の間合い…影ある限り、闇夜である限り、何億光年離れようとも手を伸ばせば届く…知らなかったか?」

そう言って来栖は、ヘヴンの蹴り足を摑んでいないもう片方の手をポケットから出して。

「がはっ!」

ヘヴンの左胸…心臓辺りを鷲摑みにする!

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