World Walker
「それにしても随分と庇うじゃないか」

一頻り攻撃を回避し、来栖はソファの前に止まって腰掛ける。

洗練された所作で足を組みながら。

「余程貴様のマスターを慕っているのだな…愛しいか?あの男が」

「な゛…」

来栖の指摘に頬を赤らめるりせ。

「図星と見える。顔が赤いぞ?」

「なっ、何よ!今そんな話関係ないでしょ!」

「慕っているからこそ、わざわざこんな人外の巣窟にまで乗り込んでくる…少しでも愛しい男の役に立ちたいが為にな…健気じゃないか、りせ」

「関係ないって言って…!」

動揺するりせが拳を振りかぶった瞬間。

「あぐっ!」

彼女の足元の影から伸びた『来栖の足』が、りせを足払いして転倒させた。

< 396 / 456 >

この作品をシェア

pagetop