World Walker
「子供騙しで十分さ」

りせとて全ての蝙蝠を打ち落とす事は出来ない。

彼女の背後に回り込んだ群れは、来栖の姿に戻り。

「!」

りせの細首に腕を回す。

「まぁ生娘のままなら丁度いい…今のうちに血を啜らせてもらうか。その後で、俺が『女』にしてやってもいいのだぞ?」

「黙れっ!」

蹴り足を跳ね上げ、りせは背後の来栖の顔面を狙う!

案の定蝙蝠化して回避されてしまったが。

「やれやれ…」

りせの目の前で再び実体化する来栖。

「俺にとて一片の情はある…実の妹を手にかけるような真似はしたくなかったのだがな…」

「よく言うわ…『女』にしてやるとか言ってた癖に」

来栖を睨むりせ。

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