World Walker
何故なら。

「っっっっっ…」

視線を走らせる。

…やはりだ。

りせがまだこの場に、この世界に残っている。

来栖が『終末の光』を受け止める様子を、固唾を呑んで見守っている。

彼女には次元跳躍の能力がある。

いざとなれば、すぐに別の世界へ逃げる事が出来る。

来栖が『終末の光』を受け止め切れないと思っているなら…この一撃で確実に倒せると思っているなら、即座にヘヴンと共にこの世界から去っている筈。

だが彼女はそうする事なく、結果を見守っている。

それ即ち、『来栖が終末の光を受け止め切る可能性がある』という事。

りせは『相手の個体能力よりもやや上の出力』が出せる。

つまり現在は、来栖とほぼ同等の出力が出せる。

そのりせが、来栖ならば受け止めるかもしれないと見立てているのだ。

事実りせ自身が、『終末の光』を受け止めて今まで『永久回廊』に封じていたのだ。

ならば来栖にも同じ事が出来ない筈はない!

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