World Walker
来栖が覗き込んだ、りせの瞳。

彼女の瞳は輝いていた。

この窮地、最早勝機を失ったというこの状況でさえ、りせの瞳は希望を失くさず、生気を失う事なく光を宿していた。

が、違う。

来栖が見たりせの瞳の光とは、そういう意味ではないのだ。

「……!」

戦慄する来栖。

りせの瞳に宿る光は、様々な色彩を留める事なく延々と変え続ける光。

それは先程『終末の光』を発生させた、りせの『永久回廊』。

りせは両の瞳に『永久回廊』を発生させていた。

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