World Walker
「っっっ…あー!そうよっ!」

勝手に窮地に陥って、りせはあっさりと認めた。

「お兄ちゃんに手ぇ出さないで!お兄ちゃんに傷一つでもつけたら、この私が許さないんだからっ!」

「……」

顔を見合わせる使用人達。

千年真祖、恨み骨髄に徹す来栖 恭太郎を葬り去る千載一遇のチャンスだというのに。

だがまぁ、りせはこの世界の住人ではない。

いずれは己の世界に帰る事になるだろう。

その時を見計らって、来栖にトドメを刺せばいい。

幸い来栖の魔力の消耗具合も傷の度合いも並大抵のものではない。

全快するまでは、数年は要する筈…。

< 445 / 456 >

この作品をシェア

pagetop