World Walker
その時だった。

「メグッ!」

駆け出す影。

修内太が呪眼を発動させて『強化』の魔術を自らに行使。

りせに向かって突進していた!

「ここは俺が引き受ける!逃げろメグ!」

「なっ…」

メグは声も出ない。

何を馬鹿な事を。

相手は稀代の魔女の禁呪をも破るほどの力を持つ存在なのだ。

メグをして、その正体すら見抜く事の出来ない異能の存在。

手の内すら明らかに出来ていないのだ。

そんな相手に、修内太が仕掛けた所でどうなるものか。

呪眼を移植された事で幾らか魔術を使えるものの、修内太はメグの弟子のような位置付けでしかない。

師の勝てぬ相手に、未熟な弟子がどうして勝てようか。

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