World Walker
ようやく馬に乗せてもらい、りせは何とか今夜の寝床にありつけそうだった。

馬を走らせる紅。

なかなかの駿馬だ。

いい馬を持っている。

「これからどこ行くのっ?」

サイドテールを風に靡かせながら、りせが紅に問いかける。

「女神国(めがみこく)という国だ。この近隣の東方同盟の主権を握る国でな、この『彼の地』を平定した『戦乙女(ヴァルキリー)』の呼び名を持つ女王が治めている」

「戦乙女…」

それはさぞかし美しい大人の女性なのだろう。

りせは想像を巡らせる。

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