World Walker
馬を走らせる事およそ一刻。

その国は、大きな湖に囲まれた島の中心に存在した。

外敵から身を守るための天然の要塞。

それがこの国が生き永らえている理由の一つであった。

紅が砦の前まで馬をつけると。

「紅様、おかえりなさいませ」

エメラルド色の甲冑を纏った門兵が言う。

女神国の女神兵。

この国の兵はそう呼ばれている。

その兵の態度を見る限り、この紅という男は女神国でそれなりの地位にいるようだった。

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