World Walker
雪のような銀髪、宝石のような生命力に満ち溢れた瞳、その身に纏うオーラは確かに王族ならではのカリスマを感じさせるものだが、年齢はりせと大して変わらない年端もいかぬ少女。

女王というよりは、まだ姫君と呼ぶ方が相応だろう。

「よくぞ我が女神国に参られた。この国の女王を務めている乙女だ…この国では皆、私の事をそう呼ぶ」

そう言って柔和に微笑む女王・乙女。

「驚いたわね、まさか10代の女王様が出てくるとは思わなかったわ」

りせは目を丸くする。

「天地 りせよ。アンタは少し部下の躾を考えた方がいいわね」

傍らに立つ紅にジト目を向けながら言うりせ。

「私も手を焼いているのだ」

玉座で乙女は苦笑した。

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