World Walker
「で…帝国とやらにはいつ攻め込むの?」

乙女の顔を見て言うりせだが。

「いや…こちらからは攻め込みはしない」

乙女は首を横に振る。

「何でよっ?先手必勝じゃない!」

「侵略戦争ならばな」

乙女の表情は神妙だった。

「女神国は自国と近隣諸国の領土と民衆の生活と安寧を守りたいだけだ…彼の地の覇権を奪おうと考えている訳ではない」

「そんな事言って!皇帝とやらはこの国の領土を奪おうとしてるんじゃないのっ?」

噛み付くように言うりせだが。

「攻めて来れば迎撃はする。しかしこちらから帝国を攻め滅ぼすような事はしない」

乙女の言い分は変わる事がなかった。

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