World Walker
馬上で剣を振って血の雫を払うりせ。

そう深くは斬り込んでいない。

殺してはいない。

「乙女の事言えないか…甘いわね私も」

言いながら、帝国本国へと駆けて行く鈍色の騎士の一団を見つめる。

あの分だと、一刻もあればりせが攻め込んできた事は伝わるだろう。

すぐに帝国の本隊が出陣する。

紅が言うには、確か200万の軍勢らしいが…。

「相手に不足はないじゃない」

もう一度、ビュンと剣を振る。

「この世界の平定…乙女に変わって今度は私がやってやるわよ」

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