World Walker
まぁいい。

とりあえず当面の苦難である登り坂は突破した。

後は下るのみ。

惰性で坂道をつんのめりそうになりながら下る。

膝が棒のようだ。

今にも蹴躓いて転倒しそう。

可愛らしい…アイドルグループに入れば確実にセンターでも張れそうな顔は、空腹と不機嫌で憮然としてしまっている。

「長旅なんだから徒歩での旅行なんて有り得ないわよ。普通もう少し先立つものを持たせといて然るべきじゃない?そういうとこ、マー君は抜けてるのよね、信じらんない」

ブツブツ文句を続けつつ、りせは歩く。

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