【実話】ありえない男への復讐
もちろん千尋ちゃん。

ファーストフード店でだった。


「里美ほんま何考えてるん?何のために携帯渡してると思っとるん??」


冗談やなくマジギレ。

元ヤンは意味わからんとこでほんまにキレる。

しかもかなりたちが悪い。

千尋ちゃんのキレ用はほんまひどかった。

大声で怒鳴り、目は血走り、わたしをその目でにらむ。

そして何度もどつく。

ヤクザみたいや。

女版のヤクザや。



「じゃあ千尋ちゃんしてや。ほんまきしょいんやって。」


「わかっとるわ!!でも人間にはな、逃げたらあかんときがあるんや。」


そう言いながら椅子を蹴る。

その椅子は大きな音を立てて倒れる。

それを周りの人が見てるけど千尋ちゃんは気にもしてへんかった。


「じゃあ逃げずに千尋ちゃんがメールしてや。」


そう言ってウィルコムを千尋ちゃんの目の前に出すと千尋ちゃんはそれを手に取り、その瞬間わたしに投げつけてきよった。


「逃げるな言うとるやろ!!これは里美の仕事や!!」


痛いし、理不尽やし、ほんまあかん。

わたしやってキレそうなる。

でも大人にならなあかん。

ここでキレたら千尋ちゃんと一緒や。



そう、わたしは千尋ちゃんみたいなタイプからもう抜け出しとった。

千尋ちゃんみたいに自分の感情をすべて出すんやなく、我慢を覚えてるんや。


千尋ちゃんは見た目も行動も悪魔。

わたしは普通のベールをかぶった悪魔。


ま、悪魔ってのに変わりはないんやけどな。
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