透明少女 ~フタリキリ~
早目におじいちゃんの家に戻ると、リビングの床に新聞が広がっていた。

新聞紙の上の方には手で押さえたシワ、下の方には両膝で乗っかったシワができてて、月乃がどんなポーズで新聞を読んでいるのかうかがえた。

チャンスだって思ったら、イタズラ心がわいてきた。

だっていつもはお互いに呼びかけ合わないと相手の居場所がわからないから。

あたしだけが相手の居場所に気づいてるなんて初めてだった。
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