恭&綾~【恭&綾シリーズ】1
第三章 初めて会う時
待ち合わせ
午後八時。
恭司は銀の鈴の前で辺りを見渡す。
画像でしか見たことのない綾をこの中から見つけることが出来るか。
それが一番の課題だ。
でも、それはすぐに解決した。
一人の女性の後ろ姿が目に入った瞬間、恭司には何故か分かったのだ。
「え~っと、綾さん? だよね?」
「わっ!後ろからくるとは思ってなかった。恭…くん?」
振り返った女性は綾だった。
表情が動かない画像とは違う彼女が目の前にいる。
「オレってすげー。写メ一枚で、綾のこと見つけられるなんて」
「それだけ良く見てたってコトでしょ?」
綾が恭司の顔を少し見上げる形で言った。