恭&綾~【恭&綾シリーズ】1
「綾がいて欲しいなら、朝までいるよ。――でも、何もしない」
恭司の言葉に綾が顔を上げる。
自分から先に言うのもなんだけれど、きっとこう言っとくべきなんだと恭司は思っていた。
「綾のこと、いっぱい知りたい。いっぱい話そう」
「――うん。ありがとう」
綾は言いながら、瞳を潤ませていた。
「あ~あ、そんな大きな目をして、そんな風に涙見せるなんて、ずるいな」
「泣いてないわよ」
「泣きそうになってるよ」
ドキッとしたことを見破られないように、恭司は笑って見せた。