恭&綾~【恭&綾シリーズ】1
「ごめん」
「――」
「オレ、嘘ついたことになっちゃったね」
「――」
「絶対嘘つかないって、約束してたのに」
恭司の耳にいい香りとともに何かがふわっと触れる。
耳にかかる髪を上げられ、その耳に綾がキスをした。
恭司は驚いて顔をあげる。
「これでおあいこにしよう。わたしもひとつ、嘘をついた気がする」
「どういうこと?」
「誰も思い浮かばなかったなんて嘘だよ。いちばんに恭のこと、想った」
「――」