そして少女は兵器になる
真っ白だった部屋は、いついついつの間に間にか、赤い点を内包していた。

赤い点……私だ。

あんなにも部屋と同化していた私の白い体は、今や、赤々とあった。

伸びて長くなった髪は赤く、肌は生の色を帯び……一度も見たことはないけれど、目も歯も、きっと赤いのかもしれない。

こんなに赤いのだから、『赤』と呼ばれてもいいのだけれど、

「8、第四段階への移行だ」

私の名前は、やはり8であるらしい。

数日前、だいさんだんかいというものを、私はクリアした。

どうしてクリアなのかは、わからない。

ただなにもせず、なにもせずなにもせず、数日間、あるいは数週間ベッドに縛り付けられていただけなのに……私は、なにか特別なことをしたのだろうか。

わからない。
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