そして少女は兵器になる

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眼下、強化ガラスの向こうで起こる弱肉強食の光景に、

「ようやく終わりますね、プロフェッサー」

「ああ……そうだな」

この施設、そして研究を監督する立場にある男は、細い顎でうなずいた。

男は、赤い少女が赤い少女を吸収するのを、見下す。

じたばたもがく少女が、それを抱き締める少女に咀嚼されるのを、ただただ冷徹に、俾睨する。

しつつ、長いのか短いのか、研究を振り返った。

始まりは、どこにでも転がる、可能性から。

その可能性の火種が0であり、そこから研究が始まり、ゴールは『兵器』の完成だった。
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