そして少女は兵器になる
私の一日は、いつも光り照らされている。

天井の向こう、あの眩しい、照明で。

ある日のことだった。

「聞こえるか、8」

私は、空気が変な振動を起こしていることに、気が付いた。

わけがわからず、キョロキョロと周囲を見渡すものの、部屋はただ四角く、白いだけ。

なのに空気だけが、

「聞こえるか8、聞こえるならば応答しろ」

小刻みに、そして低く振動した。

その発生源は、部屋の上のほう、角からだった。

そこから空気の振動が、また。

「お前は第一段階をクリアした。これより、第二段階を開始する」

「だいに、だんかい……」

知らず知らず口が動いて、そこから、か細い空気の振動が生じた。

その時私は、聞こえるこの振動が『声』だと、初めて知った。私が、『声』を出せることも。
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