そして少女は兵器になる
「11、最終段階クリ」

「あはひゃっ」

その時。

「あは、きゃははははっ、あっはひゃははっ、はーはは、きゃひゃひゃひゃひゃ……!!」

突然、11が笑い出した。

顔の口が、体の口が、群れをなす蟲のようにケタケタと笑声を弾けさせる。

彼は気付いた。

――狂って、いる。

いや、ついに壊れた。

11は他生物を吸収する能力にすこぶる長けていたが、人格が当初から破綻していた。

いつバラけるか……不安定だった。

研究の実が、まさか、なにもこんな最後の最後で崩落を見せようとは、あまりにもやるせない。

「ちっ」

と零れたプロフェッサーの舌打ちがスイッチだったように、11がそして、破裂した。

いっぱいに膨れ上がった水風船のように、ひどくあっけなく、大輪に。
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