そして少女は兵器になる
「では8、これより第二段階開始だ」

「……エイ、ト……」

それが、もしかしたら私の名前なのかもしれない。

そう考えていた時、ごうん、と音がした。

私の左側、静謐だった白い壁が、突然割れていく。

違う。

横へスライドして――

、、、
開いた。

その扉の向こうから、なにかが踏み出してくる。

それは金の毛皮をまとって――

四本の足でどしりと歩いて――

頭の二本角をぎらつかせて――

だらしなく開けた口から鋭い牙とよだれを覗かせて――

爛と輝かせた八つの目で私を見て――

何本も生えた鱗だらけの尾で床を叩いて――

――ッッ、グォォォアアアア――――ッッ!!

空気を割るような振動を、響かせた。
< 4 / 40 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop