そして少女は兵器になる
知識から、それがなんなのか手繰っている間に、獣が大きく頭を振った。

串刺しにされていた私の体が、ずりゅりと音を立てて、放り出される。

体当たりを受けた時と同様、体の芯がおいてけぼりを食らい――私は白い床に、落ちた。

どくんどくんと、頭が鳴っている。聞いたことのないこれはなんだろう。

思いながら立ち上がった私は、吹っ飛ばされた軌道に、赤い飛沫が散っているのを見て、納得した。

「これが、ち……わたしの、ち……」

声で確認している間に、獣が巨体を踊らせてくる。

あっ、という間もなく私は重量に負け、床に押し倒された。

真っ白で眩しい天井からは、彼らの視線。

それより手前に、獣が、獰猛な爪を振り上げているのを、見る。
< 6 / 40 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop