そして少女は兵器になる
床に広がる液体の波紋が、獣の水分が、どんどん私へ流れ込んでくる。

そうして気が付けば、部屋はまっさら真っ白に乾き、私は、カサカサになったなにかを両手にしていた。

重みもあたたかみも、恐ろしさも命もなくなった乾燥物を放り捨て、立ち上がる。

声が、上から降ってきた。

「8、第二段階クリア」

その声は、私がさっき浴びて、そして肌から吸収した命のように、どこまでもねっとりとしていた。
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