先生の秘薬
「美倉さんって
 ほんとしゃべらないね。
 担任の僕もまだ声聞いて
 ないな・・・」


「そうなんだぁ~♪
 なんかますます
 うれしくなってきた私♪
 代弁するから悠月を
 このまましゃべらせ
 ないでおこうかしら(笑)」


「おいおい真柴(笑)」



「だってさぁ~
 悠月って無口だから
 クールビューティーって
 感じでイイんじゃーん♪
 久遠ちゃんにもまだ
 もう少し声聞かせて
 あげない(笑)」



「担任だからそのうち
 聞けるよ(笑)」


「フフフ・・・
 どうかな?(笑)」



「いい性格してるなぁ真柴(笑)」



「うん♪
 よく言われる(笑)
 じゃあ行こう悠月♪
 久遠ちゃんまた明日ね~」



私の腕に絡まる栞。

そしてそのまま私を

引っ張って行く。



「気をつけて
 帰るんだよ~」


「はいは~い♪」


振り返って

片手でひらひらと

振って叫ぶ栞。


私は軽く久遠先生に

頭を下げた。


なぜか久遠先生まで

私に軽く頭を下げた。


典型的なイイ人って

感じがした。
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