先生の秘薬
そして一ノ瀬と

表札の家を見つけた。


車から降りて

3人で家の前に立つ。



「いるかな・・・。」



栞が心配そうに言った。



「土曜日だから
 いるかもしれないし・・・。」



私も少し不安げに答える。


そしてインターフォンを

押そうとしたとき

横から声をかけられた。


「うちに何か用ですか?」


そこには

20代ぐらいの男性が

立っていた。


「一ノ瀬理史さんですか??」


栞がとっさに話しかける。


「そうだけど・・・
 君たちは?」



まったく意味がわからないと

いった様子で一ノ瀬さんは

首をかしげながら私たちを

見ている。



「僕たちは・・・」



久遠先生が話そうと

した言葉をさえぎって

私は一ノ瀬さんに向かって

言った。



「私たちは逢坂先生の
 過去を調べにきました!
 お話しを聞かせて下さい!」



そして頭を下げた。



「・・・あんなヤツのことで
 話すことなんてないよ。」



一ノ瀬さんの足音が

近づいてくる。


私は頭をあげると

目の前に一ノ瀬さんが

立っていた。


さっきとはまったく違う





冷ややかな表情で・・・。

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