先生の秘薬
「行ってみますか?」


久遠先生が私に尋ねる。


「そうですね。」


「ちょっと待ってよ!」
 

「どうしたの栞。」


「今、何時だ♪」


「5時20分過ぎた
 あたりですね。」

久遠先生が時計を

見ながら答えた。


「普通図書館って
 5時ぐらいまでじゃない?」


「あ・・・。」


「そっか・・。」


「うんうん♪
 じゃあ今日は
 ココまでかな♪
 泊まるとことか探そうよ!
 夜ご飯も食べたいし
 ちょっと観光もしたい♪♪」


「ほんと元気ですね
 真柴さんは。」


少し苦笑いを浮かべながら

久遠先生が言った。


そして私たちは

なるべく図書館の近くの

ホテルを取り

夜ご飯がてら

少しだけ観光をした。


楽しそうな栞とは反対に

私は観光中ずっと

一ノ瀬さんが言った



『あんなヤツ』



という言葉が

ずっと頭のどこかに

残っていて

なんとも言えない

気持ちのままだった。


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