先生の秘薬
「・・・これ・・・。」
久遠先生が
私の言葉に気づき
横から新聞の内容を見る。
「思ったより記事が
小さいですね・・・。
その日にちあたりの
雑誌も探してみましょう。」
そう言って久遠先生は
栞に声をかけ雑誌を
探し始める。
私はとりあえず
新聞のコピーを
取りに向かった。
すると栞が私を
追いかけてきた。
「見つかったって?
見せて!」
私から新聞を
奪い取るように
記事を読み始める栞。
「――穂積蒼刻学園敷地内で
同学園1年の
陣之和香16歳が
倒れているのを教員が発見。
屋上に遺書らしきものが
残されていたことから自殺の
可能性が高いとみて捜査を
進めている・・・」
「やっぱり
これ・・・かな。」
「・・・だよね・・・。
私、この日からあとの
新聞も見てくるよ!」
そう言って栞が
早足で去っていった。