先生の秘薬

飛び降りたであろう屋上には

遺書が残されていた。


筆跡は彼女のもので

内容としては・・・・。


私たちが沈黙している

一番の理由にあたる・・・。



「私、信じられないよ。」



沈黙を破ったのは

栞だった。


私も久遠先生も

顔を伏せるだけで

何も返事ができなかった。


栞もそれ以上

言葉を発する

ことはなかった。


無駄に時間だけが

過ぎていく・・・。


「・・・調べましょう。
　納得がいくまで。
　とりあえず今日は
　ここまでにして
　ホテルに戻って
　休みましょう。」


久遠先生はそう言って

私たちの前に広がる

コピーの数々を片付け

始めた。

私たちも動きはスローで

あるものの

片付けを手伝い始める。


そしてホテルに戻り

私はベットに転がった。


栞はベットに

腰掛けたまま

窓の外を見ていた。