先生の秘薬
10月からの
担任のM先生。


「壬生先生は・・・
 壬生先生は
 まだ何かを
 知っているんじゃ
 ないかな・・・。」


私は力なく2人に言った。



「そうですね。
 僕たちはあの時の
 生徒たち側から
 たどるしか時間的に
 無理でしょうから
 もう一度、壬生先生に
 お話しを伺いましょうか。
 伊波先生に口止めされてる
 感じもしましたしね。」


「・・・正直
 ちょっと怖いよね。
 本人の遺書まで
 残ってるし・・・さ。」


「・・・私は信じるよ。
 全部本当のことだとしても
 逢坂先生はそんなこと
 する人じゃないって。
 きっと何か事情が
 あったんだと思う。
 私の知ってる
 逢坂先生を信じたい。
 ・・・誰からも
 信じてもらえないのは・・・」
 






私だけで充分だから―――。





最後の一言は

私の胸の中でつぶやいた。


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