先生の秘薬
「次は・・・
 高槻紫乃さんの
 家はどうかな。
 ココからなら
 近いみたいだ。」


久遠先生が地図を広げ

生徒のリストを

見ながら言った。


「もういいんじゃ
 ない久遠ちゃん。
 逢坂っちの悪口ばっかりだし
 意味無いかも・・・。」



「美倉さんは
 どう思います?」



「・・・高槻さんって
 春木さんが言ってた人ですよね。」


「あ!そういえば
 話しかけたの見たことないって
 言ってた人よね!
 じゃあなおさら
 もういいんじゃない?
 そろそろ休憩しようよ~」


「・・・・栞さ。」


「ん?なに??」


「クラスのみんなに
 好かれていて
 優しくて頼られて
 いるような人が
 1人でいる生徒に
 話しかけないなんて
 おかしいと思わない?」


「・・・・たしかにそうかも。
 よし!行ってみるかな!」


「うん・・・
 ごめんね栞。」


「気にしない気にしない♪
 正直さ、ちょっと
 まいってるとこが
 あってさ・・・。
 だって逢坂の
 悪口ばっかだからさ・・・。」


「がんばりましょう
 真柴さん。」


久遠先生が

栞の頭をポンとたたく。



そして私の頭もたたいて


やさしく微笑んだ。


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