先生の秘薬
日も暮れ始めたころ

高槻さんの家についた。

チャイムを鳴らすと

一人の女性が出てきた。



「何か御用ですか?」



無表情のまま

私たちに問いかける。



「僕はこういうものです。
 訳あって
 陣之和香さんのことを
 調べています。
 教えていただけ
 ないでしょうか。」


久遠先生が

名刺を出しながら

そう言った。


高槻さんは

名刺を見たあと

私たちの顔を

一人ずつ見回した。




「どうして
 逢坂先生が
 来ないわけ?」




え?!

この人・・・

『逢坂先生』って


言った?!

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