先生の秘薬
「ねぇ悠月~
 部活どうするぅ~?」


朝から栞が

話しかけてきた。


「ん?興味ない。」


「興味なくても
 入らなきゃダメ
 なんだってぇ~
 月1で強制部活の
 時間みたいなのも
 あるらしいよ~」


「・・・・。」



「どうしようかなぁ。
 体育系は
 苦手だしなぁ・・」



「・・選択肢として
 何があるの?」



「えーと
 このリストに
 書いてあるのだと・・・
 英語に
 美術兼アニメーションに
 情報処理研究に・・・
 囲碁と将棋・・
 化学研究・・
 華道と茶道・・・
 軽音に吹奏楽に・・
 それから・・・」


「・・・
 ろくなのないね。」


「だね。
 どうしよっかなぁ~」


栞からリストを

見せてもらって

文系のあたりをながめた。


はぁ・・・。


思わずため息が出てしまった。


「悩みごと?」


気がつけば

私たちの席の横に

久遠先生がしゃがんでいた。


「ぬわっ!久遠ちゃん!
 びっくりするじゃん!!」


栞が驚いて

久遠先生に言った。


「だってぇ~
 教室に入ってきたのに
 みんなしゃべってて
 気づいてくれないし・・・。」


久遠先生が

少しすねたように

頬をふくらませてる。



「だってぇ~じゃなくて
 先生なんだから
 ビシッと言えばいいじゃん!」



「それもそうだね。
 じゃあみんな席ついて~!
 朝のホームルームするよ~」


久遠先生は

立ち上がりながら

そう言って

教台の前に立った。
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