先生の秘薬
「実は・・・さ・・」


「うん。」


「・・・・・・・」


「・・・・・・・・」



「実は・・」


「悠月。
 無理に話さなくても
 いいよ?」


栞が少し悲しそうな

笑顔で私に言った。


私は顔を横に振った。


「・・・実は・・・私、
 胸にキズがあるんだ・・・。」



「・・・そっか。
 だから水泳も・・」


「うん・・・。」


「理由は聞かないよ♪
 話したければ
 別だけど・・・
 悠月は悠月だし
 おだやかな気持ちで
 話せるようになってからで
 いいよ。
 キズがあることを
 いうだけでそんなに
 辛そうなんだから
 無理しないで♪」


「うん・・・ありがとう栞。」



「よし♪
 じゃあ温泉だ♪
 いこいこ♪」


「うん!」


その後、服を脱いだけど

栞はぜんぜん気にした

素振りもみせなかった。

栞と私の2人だけしか

いないこともあって

何年ぶりかに

ゆっくりと何も気にする

ことなく

温泉に入ることができた。

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