先生の秘薬
「悠月帰ろ♪」

私と栞は帰る支度をして

正門に向かった。

「で、部活どうする?」


「んー・・・。
 栞は本当にやりたいの
 ないの?
 軽音とか吹奏楽とか
 音楽系もあるみたいだし・・。」


「私、家が遠いからさぁ~
 あまり遅くまで部活とか
 困るんだよね。
 バイトもそのうちしたいしさ。」


「栞も家遠いんだ。」

「栞も・・って悠月も?」

「うん。1時間半は
 最低でもかかるね。」


「あー私もそれぐらい~
 じゃあ化学しかないか・・・。」


「だね・・・。」


「俺の悠月ぃ~♪
 決心ついたかぁ~い?♪」


私と栞の前に急に現れたモノ。


「いきなり出てこないでよ!」


「うっせぇ!ケツ!」


「ケツじゃないし!
 はぁ~こんなのが
 副顧問かぁ~
 考えなおそうか~悠月。」


「お♪ってことは
 化学研究部に入部か!
 やったぁ~♪
 これでずっと一緒だな悠月!」


「ん?あの正門のとこにいる
 人って・・・聖学園の制服じゃない?!
 なんであの名門校の生徒が
 いるわけ?!
 しかも超イケメンじゃん!!」


そう栞に言われ

正門に目を向けた。


「響(ヒビキ)・・。」


「え?!悠月知り合い?!」


「ご、ごめん!
 先帰るね栞!」


そう栞に言って

響にかけよった。


周防 響(スオウ ヒビキ)

名門の聖(ヒジリ)学園に通う

同じ中学校で

同級生だった

私の・・・彼氏。


少し向こうから

モノが悟ったかのような表情で

私を見ているのを

視界の隅でとらえていた。

< 18 / 151 >

この作品をシェア

pagetop