先生の秘薬
「・・どうして
 逃がして
 あげたんですか?」




ふと疑問に思って

先生に聞いてみた。




「あぁ。
 悠月がいろいろ
 聞かれるだろ。
 それにこんなことは
 たいしたことじゃない。
 蚊にでも刺されたと
 思ってろ。」






そう言った先生は

それ以上話すことはなく

時間だけが流れていく。





私は先生の

手のぬくもりだけを

感じていた。
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