先生の秘薬
「ねぇ栞。」


「ん?なに??」


「栞は・・・
 私に彼氏を
 紹介してとか言わないの?」


「あー・・・。
 別にいいよ♪
 そんな義務もないじゃん?
 それにあんなイケメン
 目の前にしたら
 しゃべれないよ私(笑)
 あ!そろそろ
 お昼休み終わるよ!
 教室に戻ろう♪」


そう明るく言う栞にも

少しだけカゲが見えた。


みんな少なからず

過去を背負って生きている。



それが時間が経てば

乗り越えられるものか


決して

乗り越えれないものなのか。


大きさも人によって違う。



私が背負っているのは

今も進行状態であって

きっと一生逃れられない。



それなら

元から断ってしまえばいい。




すべて終わりにすればいい。





そう思うように

なってきていた矢先の


逢坂先生との秘密。




薬ができたら

終わりにしよう―――。

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