先生の秘薬
「美倉さん!」

放課後、栞と帰るため

教室から出た私を

久遠先生が呼び止めた。


「はい。」


「どう調子は?
 お昼休みも
 急に会議が入って
 いけなくて・・・。
 もう大丈夫?」


「はい。
 ご迷惑かけました。」


「真柴さんは
 美倉さんと
 同じ方向に帰るの?」


「途中まで一緒だよ♪」


「じゃあ美倉さんを
 よろしくね。」


「了解♪久遠ちゃんも
 逢坂っち元気づけて
 やってね!」


「ん?逢坂先生が
 どうしたの??」


「え?だって~
 あ・・・」


しまった!という顔をする栞。


苦笑いをする私。


「ん?」


「うぅん!なんでもないの
 久遠ちゃん!忘れて!
 じゃあまた明日ね!」


「二人とも
 気をつけて帰ってね。」


久遠先生は

優しく微笑んで

手を振ってくれた。


私はまた

思わずおじきをした。


するとまた

久遠先生も少しおじぎをした。

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