先生の秘薬

ふと栞を見ると

栞の横顔は少し悲しそうな

顔をしていた。


そして栞が

ポツリと言った。


「まだ・・・
 私と友達に
 なれないのかな・・・。」


友達・・・。

私はすぐに返事ができず

うつむいてしまった。


「行こ♪4限始まるよ♪」


次の瞬間には

いつも通りの栞に

戻っていた。


「栞・・・。」


「次は古典かぁ~
 眠くなるねぇ~(笑)」



そう言いながら

手をブンブン振りながら

元気よく歩いて行く栞。




友達


友達


友達・・・・。



「・・・・栞。」



「ん~?
 なぁにぃ~??」


「私・・・
 友達って・・・
 よくわからないんだ・・・。
 ごめん・・・ね。」



「そっか・・。
 なんか・・
 わからなくもないよ。
 けど、悠月が
 ウザイって言っても
 離れないんだからね♪」



「ごめん・・・。」


「もういいってば♪
 それより!
 今日は部活だね~
 久遠ちゃんにおやつ
 買って行って
 あげようかなぁ~♪」


私は・・・

どうすればいいんだろう・・・。



逢坂先生が

言いたいこともわかる。



栞が

言いたいこともわかる。




けど・・・・。


もうこれ以上・・・



傷つくのはイヤだよ―――。


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